HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
俺は隣の席の舞を見た。
……もう「ちゃん」付けもやめてやる!
非常に几帳面な字で解答を丁寧に書いている。なんというか、彼女らしい。
朝、父には「ダサい格好で真面目」の何がいいのかと噛み付いてきたが、本当は俺も「ダサい格好で真面目」はそれほど嫌いじゃない。清潔感がないのは論外だけどね。
舞の場合はこの無頓着加減が逆にいい。あまり頑張りすぎてると見てるだけでも痛々しいし、無頓着すぎるとこれまた別の意味で注目の的になる。そういう点で舞は非の打ちどころがないくらいだ。
この眼鏡がどうかと思うこともあるが、眼鏡を外したらたぶん舞の評価は激変するだろう。……特に男どものね。
そう考えると、眼鏡はこのままでいいなと思う。むしろ眼鏡がいいような気がしてくる。俺って案外眼鏡フェチだったりするのか?
ふと舞が首を動かす。
どうやら俺の机の上を見たようだ。カンニングかと思ったがどうやら違う。すぐに今度は鬼のような速さで問題を解き始めた。
――なーんだ。見てもいいのに。
俺は内心がっかりしながら更に舞を観察していた。こんな近くで見てるのに気がつかないとはどういう神経をしているんだ?
しばらくすると解答が出来上がったらしく、満足げな表情で姿勢を正した。そしてまたちらりと俺の机の上を見る。今度は少し険しい顔になった。
――なんなんだ、一体?
そうこうしているうちに一時間目は終わってしまった。俺は首をひねる。
――俺ってそんなに避けられるべき存在?
こうなりゃ、根気比べだ。こっちを見るまでずっと見つめてやる。
……もう「ちゃん」付けもやめてやる!
非常に几帳面な字で解答を丁寧に書いている。なんというか、彼女らしい。
朝、父には「ダサい格好で真面目」の何がいいのかと噛み付いてきたが、本当は俺も「ダサい格好で真面目」はそれほど嫌いじゃない。清潔感がないのは論外だけどね。
舞の場合はこの無頓着加減が逆にいい。あまり頑張りすぎてると見てるだけでも痛々しいし、無頓着すぎるとこれまた別の意味で注目の的になる。そういう点で舞は非の打ちどころがないくらいだ。
この眼鏡がどうかと思うこともあるが、眼鏡を外したらたぶん舞の評価は激変するだろう。……特に男どものね。
そう考えると、眼鏡はこのままでいいなと思う。むしろ眼鏡がいいような気がしてくる。俺って案外眼鏡フェチだったりするのか?
ふと舞が首を動かす。
どうやら俺の机の上を見たようだ。カンニングかと思ったがどうやら違う。すぐに今度は鬼のような速さで問題を解き始めた。
――なーんだ。見てもいいのに。
俺は内心がっかりしながら更に舞を観察していた。こんな近くで見てるのに気がつかないとはどういう神経をしているんだ?
しばらくすると解答が出来上がったらしく、満足げな表情で姿勢を正した。そしてまたちらりと俺の机の上を見る。今度は少し険しい顔になった。
――なんなんだ、一体?
そうこうしているうちに一時間目は終わってしまった。俺は首をひねる。
――俺ってそんなに避けられるべき存在?
こうなりゃ、根気比べだ。こっちを見るまでずっと見つめてやる。