HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
「舞ちゃん、何言ってるの?」

 ……え?



「好きになるのに理由なんかないよ」



 ……は? それ、どういう……



「強いて言えば、哲史さんに初めて会ったときに『あ、この人、タイプだな』って思ったんだけど、もうそのときからたぶん好きだったと思う。どういうところとか説明なんかできないよ」

 私はその言葉にかなりの衝撃を受けた。まさに目から鱗……。

 英理子さんは私の顔を見て笑う。

「舞ちゃん、そんなんじゃすぐバレちゃうよ」

「何が?」

「本人に」

 ――ひぇーーーーー! それは困るっ!!!!!

「こういうのは相手から言わせなきゃ」

 ――そんなこと無理、絶対無理!!

「あ、今、無理って思ったでしょ?」

 ――ひぃ! バレてる。

「だって顔に書いてあるもん」

 ――なんですと!?

 私は慌てて頬をこすった。その様子を見て英理子さんはプッと吹き出した。

「じゃあ自分から言ってみる?」

「無理無理、絶対無理。それに……好きだと気がついたの、一昨日だもん」

 英理子さんは少し考える表情になった。

「一つ質問していい?」

「うん」

「それとケータイと何か関係ある?」



 ――うっ! それは……

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