先輩と私

ボタン

「これにて 卒業式を終了とする」

校長先生の挨拶が終わり
卒業生を送るため外にでた

泣いてる子
涙をこらえてる子
少し嬉しそうな子

そんな人達の中にあなたは女子に円を作られていた

私は少し遅かった

先輩のボタンは1個も残ってなかった

私はそれを知りながら
他の人に押されながらも

「千葉先輩…なんかもらえますか…?」
必死に伝えた初めての先輩への言葉

先輩…とまどってる
迷惑かな?
「あ~ボタンじゃけど
はいッ…」

微かに触れた先輩の手…
優しい感じで
私の手なんかよりずっと大きい

自分の手に渡されたのは

「な 名札…」
先輩が3年間付けた名札
「あ~でも俺名札なくなると物足りないな~」
「…え…」

「ンじゃアンタの名札と交換しよ?」

私は先輩に自分の名札を渡した…
先輩は笑って手を振って

歩いていった


「名札を好きな人と交換すると結ばれる」

先輩…先輩はこのジンクス知ってましたか?

嬉しくて恥ずかしくて
なんだかくすぐったい気持ち
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