Discoloration




「名前。」




「・・・は?」



「あんたの名前は?」






「だ、大上美衣子・・・
  <ダイジョウミイコ>
って、ちょっとアンタ!
相手の名前聞く時は
自分から名乗るのがスジだろっ!」


「スジ?」


「いっいや!普通でしょ?」


「ふーん。」


うわぁ。
ヤバぃ。

初日から荒れてた過去がバレるのは
‘嫌‘だ。



でもそれ以上に…





「・・・須黒。<スグロ>」



「えっ?」


「俺の名前、
 言えっていったろ。」


「ぅ、うん?えっと須黒…くん?」


「あぁ。」


「とりあえずさ、降ろしてくれない?

 重いだろうし?」



「あぁ、かなり重い。けど、降ろしたらどっか行っちゃうだろ、あんた。
だから嫌だ。」




このお姫様抱ッコの
状態の方が嫌だっ‼

ムカつくし!


しかも


「か、顔が近いから///!
もっと、離れて!」


「ふっ。顔を離せばいいんだ?」


スッと右腕の力を緩めて
2人の触れている部分が減る。



「こ、コレぐらいならまだ…って!

違うから!降ろしてよ!早く!」



「まぁ、いいじゃん。
もうすぐ着くから。」

「はぁー⁈
良くない!全然良くない!」


どうしよう!
目立ちたくなんかないのに。

あんなに皆に騒がれてたヤツに
捕まって。

それに、どこかに連れていかれる上に
連れていかれ方が…

お姫様抱っこなんてッ///

耐えられない!///



< 2 / 12 >

この作品をシェア

pagetop