Discoloration

床からソファ





「あぁーあー、かわいそー。
勇<ユウ>が思いっきり踏んだから
女のコ、のびちゃったじゃーん。」


「・・・赤ちゃん・・・。」


「おい!駿<シュン>!
そのアダ名ヤメろょ。
 名前で呼べ、名前で!」
 

「勇の名字の赤西<アカニシ>からとって、赤ちゃん…。
バカ正直な点といい、
バカにうるさい点と言い、
言い得て妙ですね。
とりあえず、勇。
最後の1投外したんですから、
コンビニでその子の分も
飲み物をお願いします。

キョウは、その子をソファへ運んで下さい。女性が床にそのままではかわいそうです。」



「くっそー。

 キョウが邪魔しなきゃ、
 
 今度こそパシリまぬがれたのに。

 一回もビリ抜け出せねェじゃんか。」



「早くしてよー?

 のど湧いたんだからぁ。」


「分かってるっての!」

ダンッ





「勇のやつ、ドアぶっ壊す気か?
他に丁度いい空き教室なんてないぞ。
 
つか、また運ぶのかよ。
 軽いからいいけどさぁ。




 心臓がもたねェんだよな。(ボソッ」




「? 何かいいましたか?」


「いや、また持つのかって言っただけ。」



「そうですか。

 でも、落としたのも連れてきたのもキョウでしょう?」




「分かってる。」



この時あたしは、

フワフワ浮いた後、

いいにおいに包まれた感覚を覚えている。


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