Steady
「……怖いの?」


「……」


何も言えずに

ただ黙って澪を見つめる。


澪には私の全てを

見透かされているようで、

いつも言葉に詰まってしまう。


「越智くんとあれ以来

 会ってないんでしょ、アヤ。

 もしかして、

 引越し先すら

 教えてもらえなかったの?」


澪の言葉に私は静かに頷く。


あれだけずっと一緒に

過ごしてきたのに、

私は敦から引越し先すら

教えてもらえなかった。


当時の私は

そのことを疑問にすら

思わなかったけれど、

今になって思えば、

なんだか腑に落ちない。



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