Steady
私は視線を横に少し

ずらして優を見つめる。


「最初は人違いから

 始まったけれど、

 俺は彩加ちゃんに

 出逢えて本当によかったよ。

 敦と比べたら、

 まだ知り合って

 間もないかもしれない。

 でもこの想いは

 敦と同じ、

 いやそれ以上に強いんだ。

 俺は、これからも

 彩加ちゃんと一緒に

 過ごしていきたい」


マシュマロのように

ふわふわと蕩けてしまいそうな

優の言葉。


確かに優とは『敦』として

声を掛けたのが

全ての始まりだった。


それなのに優は

一緒のゼミ仲間である私に

いつも声を掛けてくれたり、

元気のない私を

優しく包み込んでくれたり、

優の優しさに触れるたびに

私の心がどんどん反応していった。


ふんわりとした優に

全てを委ねられたら……。


私は優の言葉を

噛み締めるようにゆっくりと

頷いた。




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