Steady
私の言葉に、

今度は優が首を傾げる。


だって私は優に

「ありがとう」なんて

言われる資格なんて

ないのだから。


真っ直ぐに優自身を

見てあげられなかったのに。


「私は優くんのこと、

 すごく傷つけちゃったんだよ?

 なのに『ありがとう』

 だなんて……。

 優くん、優しすぎるよ。

 もっと私のこと

 怒ってもいいんだよ?

 ひねくれ者で

 どうしようもないって」


そう私が言っても、

優はふんわりと微笑んだまま

私を見つめる。


こんな自分勝手な私に

そんなに優しくしないで欲しい。


もっと私のことを

責めてくれた方が

どれだけ楽だろう。


でも、優はいつものように

甘い笑顔を見せ続けた。







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