Steady
とその瞬間、

満面の笑みを浮かべて、

「彩加と約束なんか、したっけ?

 俺、全然覚えてないんだけど」

とさらりと口にしたのだ。


オレ、

ゼンゼンオボエテナインダケド―――


頭を思い切り鈍器で殴られたような、

とても大きな衝撃を受ける。


私がずっとずっと

大切に想ってきた

幼い2人の儚い約束。


その約束を、

敦が覚えていないなんて……。


「本当に、覚えてないの?

 嘘、だよね?」


私が必死に敦に訴えると、

敦は眉間にしわをよせて

へらへらとした表情を見せる。


「どんな約束したっけ、俺たち」


敦の言動に

私の足がガクガクと震え始める。


「『大人になったら、

 また会おうね』って……」




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