御曹司なんてお断りっ◆
携帯のアドレス帳から、志保を探す。
だって、声が聴きたい。7回目のコールでつながった。
『もしもし?』
「あ。志保?ただいま。」
『おかえりなさい。』
志保の周りがざわついている。
どこかにいるのか?
「ごめんな。外?」
『あぁ。居酒屋です。
会社の人に食事を誘われて…』
「男?」
『…上司ですが?』
上司??
肯定とも否定とも取れるな…
もしかして、例の彼氏とかか?
数台の車が俺の前を
通り抜ける。
武が手早くとめたタクシーに
俺は乗り込みながら
電話を左に持ちかえる。
「ふぅーん。
俺、志保に会いたいのに。」
『え?』
隣の武は険しい顔で俺をにらむ。
わかってるよ。
お前が俺を開放しないって事は。