御曹司なんてお断りっ◆
並んだ料理はどれもおいしかった。
ちょくちょく、彼女が運んできててくれて、
建志に向かって、愛想を振りまく。
志保は苦笑しながらその様子を見る。
「なぁ。さっきの絡まれていた会社の人って、
志保にちょっかい出していやつだろ?
よかったな。俺がすぐに通りかかって。」
「・・・勘違いされましたけど?お兄様?」
志保は、少しあきらめたように、
楽しそうに笑う建志を見つめた。
いつもそうだ。
建志は志保が好きな人がデキたらり言い寄ってくる人にちょっかいを出す。
そして
的確に、助言をする。
「でも、優しそうだったね。
付き合ったら、独占欲強そうだけど。
ほかの男からの電話はとらないでーーみたいな?
オフィスラブなら、こっそり連れ出してキスとかしてそう~」
あははと笑う建志に思わず、志保はドキリとする。
見ていたんだろうかーーー
建志の人を見る目は本当にすごいな。
志保はあわてて、話題を変える。
「本当に、おいしいし、
このデザートもきれいだわ。」
志保はデザートに手を付けながら、
キラキラした中庭に目をやった。