御曹司なんてお断りっ◆
すべてを見透かしたような建志のまなざしに
志保が戸惑う。
「そっかぁーー
先に進めないのは、志保の気持ちかーー
まだ、立ち直れない?」
「やだ・・・もうずいぶん前の話よ?
でも、トラウマかも…?」
地位もお金も持っていない『私』を
はたして御曹司である彼が必要としてくれるか・・・
どうせ、建志に隠してもすぐにばれてしまうのでおとなしく
白状する。
「そっか。そうだよな。
なんか、ゴメンな。」
「え?謝る意味が解んないし。」
「そうだな。ゴメン。」
「また、謝ってるし。」
「ゴメン。」
珍しく、建志が言葉を濁した。
なんでだろう?
「なんか、俺、うれしくてさ。」
「へ?」
「志保が、恋するのかと思って。
だから、ちょっかい出したりしたんだけど…
志保は、志保のペースで進んでいくんだって
基本的なことを忘れてて なんだか、焦ってしまってーー
ゴメンな。」
申し訳なさそうにうなだれる建志。