御曹司なんてお断りっ◆
「ねぇ、志保。
昴さんには、もう、家庭の事情とか話したの?」
「-----。
まだ…
っていうか・・・だって、まだ気持ちが通じただけっていうか
つ・・付き合ったばかりっていうか」
「--…でも、昴様は・・結婚する気ですよ?」
市川さんが口をはさむ。
「え?マジ?
早くないですか?!」
「・・・・昴様ーー自己中ですから。」
「…ぷっ。
きっと志保も振り回されるだろうなぁ。
市川さんも、大変ですね。」
「えぇ、っていうか、本当に大変だから。
ーー志保さんも、大変だな。
あんなのに、目をつけられて。
あいつ、仕事では冷酷冷静だぜ?
プライベートでは軽くて、甘えた坊ちゃんなのに。
きっと、軽く二重人格だな。」
はぁ。と市川さんは首を振った。
諦めたように素で話す市川さんに少し驚いたが、
建志は爆笑した。
「あはは。
市川さんって、いい性格っ!いいねぇ。
面白いです。」
「どうも。」
市川さんは勧められるままシャンパンをぐいっと飲み干した。
あぁ、きっと、この人も建志と同じタイプなんだろうな。
なんて、私は肩をすくめた。