御曹司なんてお断りっ◆
「だからね。
志保に彼氏が出来たっていうから~
しかも、朝帰りでしょ?
親としてはーー複雑だけど、やっぱり嬉しいじゃない?
とりあえず、朝なのでー
サンドイッチとかフルーツとか盛り合わせてみたの。」
母はシャンパンをご機嫌に振る舞いながら
おしゃべりは止まらない。
「でも、お母さん?そろそろお父さんに電話する時間じゃない?」
「あら、そうね。
じゃ、ちょっと失礼するわね?」
母はそのまま楽しそうに出て行った。
ちなみに父は出張中だそうだ。
祖父もいるが祖父は海外でバカンス中。
居なくてよかったなぁ なんて心から思った。
「・・・はぁーー。
市川さん。すいません。母が強引にーーお仕事もあるのに。」
「大丈夫ですよ?志保さん。
昴様は私がいなくても仕事をできる方ですし、
秘書課には、他にも人がいますから。」
「俺からも、すいません。
志保を送っていただいただけなのに…」
「いえ、こちらこそ
志保さんのお母様とお兄様と食事をしたなんて
昴様に報告したら・・・
---すごい 楽しくなりそうなので。」
ニヤリと市川さんは楽しそうに笑った。
建志は少し驚いてから、ニヤリと笑い返した。
どうやら二人は意気投合したようだ。