御曹司なんてお断りっ◆
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「志保ちゃん。今日、昴はこれないみたい。」
「え?」
いつもの喫茶店。
川端さんがいつもの優しい声で
そっとコーヒーをテーブルに差し出してくれた。
「さっき、秘書から連絡があって、
仕事が終わらないんだってさ。」
「そうなんですか。
別に、待ってはいないですけどーーー」
川端さんは静かに笑って
声をひそめて、耳元でささやく。
「昨日、なにかあったの?」
「っ!!」
川端さんの甘い吐息が耳元にかかり
くすぐったくて、
思わず肩をすくめる。
「・・・」
なんていいか
よくわからなくて、
思わず無言になる私を見つめて、
ごめんね。変なこと聞いて。
といって川端さんはカウンターの方へ戻った。
何かあった わけではないんだけど。