御曹司なんてお断りっ◆

「志保ちゃん。昴がいないから、
 静かだね」

いつもの喫茶店。
いつものように、
静かにコーヒーがテーブルに置かれた。

「はい。
 ゆっくりできます。」

ふわりと香るコーヒーと
落ち着いたBGMが心地よく耳になじむ。

あ。今日のケーキはタルトなんだ。


そういえば、
予定では一週間といってたので、
今日あたり帰国予定だろうな。


カバンの中に入っている
携帯電話をちらりと見る。


別に待っているわけじゃないけど
なんだか
気になってしまう。




ふいに、カウンターの向こうで
川端さんが くすっ と笑った。

「志保ちゃん。昴は多分、最終便で帰ってくるから…
 夜8時ぐらいかな~?」
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