御曹司なんてお断りっ◆
コンコン。
乾いた音が響く。
「失礼します」
「あー。ありがとう田中さん。」
にっこりと優しそうな笑みを浮かべた黒田課長は
会議室でなにやらプレゼンの準備中だった。
相変わらずの
態度にちょっと安心。
ほっとしながら、
頼まれていたコピー書類を差し出した。
「こちらに、置いておきます」
「ありがとう。
お礼に、今夜食事でもどう?
あ、コピーしたのはテーブルの上に配っておいて。」
「はい。・・・・・ん?」
さらっと誘われたので、
一瞬何を言われたかわからなった。
今夜ーー食事??
「じゃ、今日地下駐車場で待ってて。
僕も今日は定時であがれそうだから。」
「え?」
「だって、告白だけして
ずっと仕事が忙しくて、アプローチできなかっただろ?」
そういって、
恥ずかしそうに黒田課長は笑った。
ガチャリと部屋の扉があく。
「しつれーしまーす。」
「課長、できましたかー?」
「おぉ。あとは、パワーポイントだけ」
いいタイミングでほかの社員が入ってきた。
課長は私に向き直って、
にっこり笑った。
「じゃ、田中さん。あとでね。」
「・・・・・・・はい。」
心の中で大きなため息が漏れた。