僕がもらった神恋
玄関の扉が閉まってからも、
しばらく博己の出て行った扉を
愛梨はじっと見つめていた。


「フフッ・・・」


そして幸せそうにに微笑む。



「さて、洗物して
仕事探しに行かないと。」


愛梨は飛び跳ねるように
洗物を始めた。




そしてまた博己も、空を見上げ
幸せそうに笑った。


「よしっ!! 
今日も頑張るぞ!!!」



空を見上げ、何を思ったのか?
今までの博己にはなかった笑顔。



愛梨と出会って初めて感じた幸せ、
博己の中でもう、
この幸せが当たり前になりつつあった。


そして、もちろん失うことなんて考えない。
そうなることすら思ってもない、
失う辛さなんて知りもしない博己。

しかしその苦しみは
博己のすぐそばまで来ていた。



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