初恋は実らない
裕と一緒に店に着いたら・・・
そこには小西の姿があった。
まぁ、マネージャーをやってたから当然なんやけど。

小西は、その見てくれでサークルのマスコット的な存在やった。
先輩からも可愛がられてたし人気もあったから、裕が告白出来へんのも何となく分かってた。

小西は裕の気持ちには気付いてた。
まぁ、周りにもバレバレやったから、しゃーないけど。


俺と裕は端っこの席に座り、遠目に小西の姿を見止めた。
正直、その時の俺は小西の事を『残念な美人』という程度にしか思ってなかったし。
特に気にも留めず先輩に挨拶したり運ばれてきた料理に目を移していた。

そやから、裕と小西がアイコンタクトを取ってるとか全然気付けへんかった。


実咲との事は大抵 裕には話しとった。
だから翌日、実咲と会う約束をしてる事も裕は把握してたんや。


それが全部…小西に筒抜けやったなんて。


想像もせぇへんかった。

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