花恋-はなこい-
3年生の聡史は

あの穏やかな笑顔で

こっちを見ている。


メガネの奥に見える

柔らかな目が

真由の気持ちを静めてくれた。


真由は圭輔の姿を探す。


2年E組の列の真ん中辺りに

座っている。


ただ、圭輔の感情が

読み取れない。


微笑んでる?


いや、そんな風には見えない。


怒ってる?


いや、それも違う。


圭輔はただ1点を見つめたまま

動かない。


それが真由の心に

少しだけ影を落としていた。


「それでは2年生から

 3年生への感謝の気持ちを

 贈ります」


学年主任の声で、

とうとう代表者1人ずつの

メッセージが始まった。



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