花恋-はなこい-
聞き慣れたアップテンポの音楽が、

朝日の差し込む部屋に響き渡る。


真由は結局、

そのまま朝まで

寝てしまったようだ。


しわくちゃになった制服を

慌てて手で直しながら、

真由はリビングへと向かった。


「おはよ」


「真由、おはよ。

 今日もすごく天気がいいわよ」


母親はいいつもと変わらず明るく、

ほっとするような笑顔を

向けて話しかけてくる。


「ご飯、冷めちまうぞ」


新聞に目を通しながら父親が言う。


こうして朝、

家族全員が揃うことは

父親の仕事柄珍しい。


普段だったら

にっこりと笑顔で食卓を囲むのだが、

今の真由にはそこまでの元気がない。




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