花恋-はなこい-
今日一緒に帰れる喜びと

昨日のあの光景への不安が、

真由の心の中で

複雑に絡まりあっていた。


2年B組の教室へ入り

自分の席へ着くなり、

真由はバッグを

机の脇に掛けながら

大きな溜息をついた。


「おっはよ、真由」


隣から、どんよりとした

空気を変えるように

杏奈が軽く声を掛ける。


「う、うん。おはよ」


真由の歯切れの悪さに

杏奈は少し首を傾げながら様子を伺う。


「どうした?

 ひょっとして、

 まだ昨日のこと気にしてる?」




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