†SweetBlood†
「コンチクショウ?」

ついには悪態を吐き始めた瞬間に思考と同じ言葉を目の前の男性が呟いた。
最初は思わず口に出してしまっていたのかと思ったが、違う。
喉はカラカラに干上がっていてとても声を出せる感じではない。

いやな予感がする。
それに現実味のない現在の状況が、拍車をかける。

自分の思考が筒抜けだったんじゃないかという嫌な想像はさて置き、取り敢えず最初の目的を達成しようと、口を開きかけた瞬間―--


爆笑。
目の前の男性が突然笑い出したのである。
ゲラゲラと下品な感じではなく、口元に軽く握った拳をあて身体折って腹を抱えて笑っている。

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