†SweetBlood†
「お前は俺の血を受け、誓約と名を交わした。妻と言うには最後の儀式が残っているから、まぁ花嫁候補と言ったところだろう。」


「…は?」
今なんか変なことを聞いた気がする。
花嫁?誰が?

私の困惑は無視して紅黎は話を続ける。
「死にかけていた所に俺が血を与えた。肉体的には死んだわけではないが、あの場から連れ去りお前が眠り続けて一年近く経つ。死体はなくとも血痕と持ち物、事故の目撃者もいるからお前が死んだと思っているものは多いだろうな。」


手が震える。
なんとか声を出そうと試みるが一向にうまく行かない。

紅黎が死んではいないけど、生きてもいないといったのはこういう意味だったのだ。
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