意地悪LOVER



ドックン…。
静かに俺の中の脈が大きく激しく打ち始める。


体の奥底から何か熱いものがこみ上げてくるのは、熱のせいだろうか?

それとも俺の中にもまだ嬉しいと素直に喜べる感情があったのだろうか…?

だけど、俺は嬉しいだなんて思っていいのかな。

何か、綺麗なものを俺が汚すような気がしてどうしようもないんだけれど。

だけど、触りたくてしょうがないんだ。
いつもみたいな好奇心なんかじゃなくて、真剣に触れたいと思う自分がいるんだ。



「…れ…、お…くん…?」


気付けば俺の腕はひかりの頬へと伸びていて、そっと触れてやる。

なんだかすごく綺麗で、思わず見とれてしまうほど白い肌。


「…だから、帰れって言ったじゃん…」


そのまま頬を手のひらで優しく包んで俺は引き寄せる。そしてそのままその唇へと自分の唇を近づけていく。


「んっ…!」


触れてしまったらもう俺の理性は吹っ飛んで。
自分が何をやってるのかもわからなくて。

自分がどうしたらいいのかも分からなくて。


ただ分かるのは、ひかりに欲してるということ。



「ふっっ…う」


キスの最中、ひかりは息苦しさからか、俺から必死に逃げようとするけど今は離してやらない。

口からひかりの甘い声が漏れる。
だけど、キスはやめない。


「れっ、お…くっ…」

「…」


聞こえない、何も聞こえない。
今は何も聞きたくない。


そして俺はキスを続けながらも、ゆっくりとひかりの上着を上から一枚と脱がしていく。


ひかりはキスに夢中で分かっていないのか、それとも分かっていながらおとなしくしているのか


まったく抵抗しなかった。


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