パラサイト ラブ
『言われてみれば本当にそうだった。結婚の挨拶に来てくれたのにその場に他人のハナちゃんが居るなんて、おかしいわよね…
いくらこれから家族になるとはいえ……』
……これから、家族になる?
「母さん、なにその話。ハナが家族になるって」
『そうそう!私も昨夜知ったのよ!賢二とハナちゃんが……え?なに?』
大事な話の途中なのに、電話の向こうが急に騒がしくなる。
俺は少し苛ついて声を荒げた。
「賢二とハナが何なんだよ!」
『―――結婚するのよっ!!』
鼓膜が破れそうなほどの大きな声が聞こえて、俺は思わず携帯を耳から離した。
今の声…母さんじゃなかった。
「ハナ、か…?」