パラサイト ラブ

「……一晩だけなら」


私が小声で言うと、やっと彼は手を離して私を自由にしてくれた。



「…それでよし。
全く、もしこのままあんたを帰らせて、明日のニュースであんたがの野垂れ死んでたなんて知ったら俺がどんな気持ちになるか考えてみてくれよな」


「……ごめんなさい」



この人、本当に困った人を放っておけない性分なんだ。


男に頼った訳じゃなくて、親切な警察官に助けられた、そう思えば、彼の部屋に入る罪悪感も少しは薄れる気がした。





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