パラサイト ラブ
寒さで目を覚ました時、辺りはもう真っ暗だった。
眠る前より体調が悪い気がする。……今、何時ぐらいなんだろう。
手をこすり合わせてなんとかあたたまろうとしていると、誰かが階段を上ってくる足音がした。
龍ちゃんだったらすぐに駆け寄りたいけれど、ほかの住人かもしれない。
とりあえず座り込んだ体勢のままで黙っていたけれど、驚くことに私の耳は徐々に近づいてくる足音が誰のものであるのかを聞き分け、私の顔を上げさせた。
「――――朝、乃?」
「龍……ちゃ」
何を言われるか、どんな顔をされるか、それを確認するよりも先に……
私は彼の腕の中に、閉じ込められていた。
だけどその抱き締める腕の強さだけで、私は理解した。
龍ちゃんも私と同じ気持ちだっていうことに。
ゆっくり体を離した龍ちゃんは、私の顔を両手で包み込むと
愛しそうに目を細めて、そっと、私の唇に自分の唇を重ねた――――。