パラサイト ラブ
アパートが近づくにつれ、決心した筈の気持ちが揺らぐ。
あんな風に置手紙まで残して出て来たのに、たった数日で戻ってきた私に龍ちゃんは何て言うだろう?
私はいったい、どんな顔で彼と向き合ったらいいの?
もしも拒絶されたら、私は耐えられる……?
後ろ向きな気持ちが次々沸いてきて、私はそれを振り払うように首を横に振った。
とにかく、自分の気持ちを伝えることだけ考えよう。
伝えた後のことは……その時考えればいい。
アパートに着いて、おそるおそる部屋のドアノブに手をかけてから気づいた。
今日は……平日だから龍ちゃん仕事だ。
夜にならないと帰って来ない。
試しにノブを回してみたけれど、やっぱり鍵がかかっていた。
なんだか気が抜けてドアの前に座り込むと、ぐらりと頭が揺れた。
そういえば、朝から調子が悪かったんだということを思い出す。
風邪、かな――――…
私はそのまま膝を抱えて、いつのまにか眠ってしまった。