パラサイト ラブ


お風呂から上がった私たちはベッドに並んで腰掛け、色々な話をした。



龍ちゃんは偶然にも同い年で、市役所の職員だった。



「すごいね、公務員なんて」



「別にすごくないよ。やりたいことないんだったら公務員試験でも受けてみろって親に言われて、まぐれで受かっただけ」



「まぐれなんて、余計すごいじゃん。必死で勉強しても落ちる人は落ちるよ」



「まぁ、確かにな。
朝乃はなにしてるの、仕事」



私は口をつぐんだ。

失恋のショックで長い間無断欠勤し、会社をクビになったのは随分前の話だ。



それから働きもせず、男に頼って生活してるなんて言ったら、龍ちゃんはどう思うだろう?

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