パラサイト ラブ
「まあ…そんなとこ」
否定するのも面倒で、軽く受け流したつもりだったのに、俺の発言に女性職員たちが色めき立った。
「長山くん、彼女居るんだ!」
「飲み会の前にわざわざ会いに行くなんて、相当熱いわねぇ」
「…もしかして彼女さん、そくばっきーなんですか?」
最後の質問をしたのは藤崎さんだ。
飲んでいたウーロン茶が気管に入り込んで、俺はむせた。
「…人より寂しがり屋なだけだよ」
咳払いをしてからそう取り繕った俺は、風呂場で俺の帰りを待つ朝乃を想った。
…今頃、何を考えているだろう?
縛られる側の気持ちを解らせたくて、あんな風にしてしまったけど…朝乃はそんなことで変わるのだろうか。