パラサイト ラブ

……信じない。

そんなの、信じられる訳ないじゃない。



「じゃあどうして…鍵を置いていったりしたの?」



“もうここへは来ない”という意味じゃないの……?



「それはあの部屋の存在を周りに知られたくなかったからだよ。職業柄、私生活を嗅ぎ回る奴らが居てね……

今はもう、落ち着いたから問題ない」




英はそこまで言うと、冷めちゃうよ?と私にコーヒーを飲むよう促した。

どうしてそんなに余裕たっぷりの態度で私に接するのかがわからない。



「私が出て行く可能性を、少しも考えなかったの…?」



私が訊くと、英は付き合っていた頃のような優しい微笑みを浮かべてこう言った。



「だって朝乃は…俺が居ないと生きていけないだろ?」


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