パラサイト ラブ

私が何も言えないでいると、さらに英は続けた。



「どうせ今も仕事しないで別の男の所で生活してるんだろう?いつかそいつと破綻するのは目に見えてるよ。きっと朝乃を持て余す」



龍ちゃんのことを言われて、私は頭にカッと血が昇って立ち上がった。



「何も知らないのに勝手なことばかり言わないで!今一緒に暮らしている人はとても優しいし、私を大切にしてくれてる。結婚の約束だってしてるんだから!」



私の大声に、周りの客が注目した。でも目の前の英だけは冷静な表情で私を見ている。



「…朝乃、今まで何人の男に捨てられた?もういい加減わかるだろう、朝乃の愛情は普通の男じゃ受け止めきれないんだ。」



……過去の話を持ち出すなんて卑怯だ。

龍ちゃんが今までの人と同じとは限らないじゃない……

そう思っても心は今の発言にダメージを受けてしまって、そこからじわじわと膿が広がるような感覚に目眩がした。

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