遠い君。
少し小走りをしながら、大通りまで出る。
そこで止まっているタクシーに乗り込み、場所を告げると動き始めた。
そこでため息をつき、背もたれに体重をかけた。
――もう、23歳。
こっちに引っ越してもう8年少し。
高校卒業して、すぐ一人暮らしを始めたけど、実家は3駅ほどしか離れていない。
結構いい大学を出て、結構いい就職についたと思う。
10分ほどでついた会社の前でお金を払い降りる。
よし、今日は金曜日だ。
今日頑張れば明日休み。
そんな意気込みを込めて、会社へと足を踏み入れた。