−遠く儚く−

『ヒナ様のもとにはリリーを行かせました。』



リリーとはまだ18だというのに大人びていて世話やきの貴族の娘だ。


「そうか・・・・彼女なら安心だろう。」





『アルファ様、いえ・・・・第一王子殿下。』


シルキィがひざまずく。


「殿下など・・・・よしてくれ・・・・」




そう・・・・俺はこの国の第一王子。

しかし、前国王が亡くなった為、今は俺がこの国をおさめているのだが・・・・


『しかし、』

「よしてくれ・・・・お前の妻に怒られてしまう。」



シルキィの妻、それは俺の姉、リリアだ。




だからシルキィの位は俺の義理の兄になり、高いはずなのだが・・・・


「よしてくれよ、兄さん?」




『アルファ様っっ』


シルキィが焦る。



「ククッ・・・・それでよい。」



『まったく・・・・あなた様には敵(カナ)いません。。。』













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