しあわせおばけ
あと、今まで、お父さんとふたりぐらしだと、ご飯がおいしくありませんでした。
お父さんは料理が上手じゃないので、夜ごはんはいつもスーパーや商店街で買ってきたものばかりです。
お母さんが見たら、体によくないと言うと思いました。
でもお父さんは毎日仕事をしてから夜ごはんの準備をするので、しょうがないです。
でもわたしは、お父さんが休みの日に、一緒にカレーコロッケを作りました。
カレーコロッケは、お母さんがよく作ってくれた料理で、わたしの大好物です。
作るのはとても大変だったけど、お父さんと相沢くんが、おばけになったお母さんの命令を聞いて、がんばって作ってくれました。
相沢くんは、お父さんの会社の友達です。
いつもわたしにやさしくしてくれるので、わたしは相沢くんが大好きです。
わたしは、卵をわったり、コロッケのころもをつけたりしました。
できあがると、みんなで食べました。
あげたてのカレーコロッケは、お母さんの味がしました。
だからわたしは、おばけになったお母さんのことは見えないけど、本当にいるんだとわかりました。
わかったとき、とてもうれしくて涙が出ました。