しあわせおばけ

「早く起きないと、明日香たち帰ってきちゃうわよ!」

「…!?!?」

リアルな怒声に、俺は体を勢い良く起こした。



「……え?」

半分寝ぼけたままの頭で、部屋を見回した。

俺が寝ていたのは畳の上、つまり和室の布団の横で、夢でめまいが再発した場所と同じだった。

ということは…?

そのとき、背中に悪寒が走った。



「ね、帰ってくる前にちょっと落ち着きましょうよ」

その声にバッと振り向くと、そこには、やっぱり彼女がいた。

「◎※○△○※◎!?!?」

寝起きであることも手伝って、言葉にならない叫びが家にこだました。



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