恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―
指輪でも買いにきたのだろうか。

「お仕事は何時に終わりそう?」

元カノが尋ねる。

「…さあ、な」

僕の答えに元カノは、
「終わったら電話して。

番号は変わってないから」

そう言うと、店を出た。

今さら、何だと言うのだろう。

「…主任、大丈夫ですか?」

女子社員が心配そうな顔で尋ねた。

「顔、ひどいくらいに真っ青ですよ。

休憩室で休みますか?」

僕は首を横に振った。
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