終わらない恋になれ





結局、私は常陸にとって“餌”でしかなかったワケだ。


ならもういなくなったんだし、忘れてしまえばいいじゃない。呪いが解けたんならもうここに戻ってくることもないんだろうしさ。


…なんて思えたら、どんなに楽だったんだろう。






「…馬鹿………!」


さよならも言わないで。
さんざん偉そうに振る舞って。


私をこんなに、かき乱して。




そうやっていなくなった常陸がそのうちひょっこり帰ってくるんじゃないかと、そんな期待をしてしまうほどに、私は。


私は、常陸が好きで。


声を殺してうずくまって、枯れるまで泣き続けた。





< 101 / 206 >

この作品をシェア

pagetop