終わらない恋になれ
そのまま常陸の後を追いかけながら公園を出て、家路について。
アパートが見えてくるまで何も話さなかった私たちの、その均衡を破ったのは私の目の前を歩くヴァンパイアのほうだった。
「…貴様は変わった女だな」
その言葉に私が早足で常陸の隣に立つと、彼は足を止めてじいっと私を見つめた。
「俺が他人に、しかも人間風情に謝ったことなど初めてだ。物怖じもしない、怯みもしない―――不思議な女だな、透子は」
「…誉めてるつもりなの?」
静かに語り出す常陸の言葉に私がそう返すと、彼はただ頷いて肯定して。
「敬意を表して今後は貴様を名前で呼んでやる。ヴァンパイアの王子に名を呼ばれる人間などそうはいない。ありがたいと思えよ」