君がいた夏

そう。
俺の教室の窓からは
ちょうど、明美と菜穂がご飯を食べてる位置が見える

「……明美ちゃんいるぞ」
「知ってますよ」
「付き合い始めたんだってな。菜穂から聞いた」

窓を見ながら先輩が呟く。

その眼差しは菜穂にしか注がれてないんだろう。

「……はい」
「これで四人で遊べるな」

嬉しそうに笑う先輩を見て俺も少し笑う。

「暇だったら」
「かわいくねぇやつ」

そんなやり取りをしてると
菜穂と明美が俺らに気づいた

「菜穂」

1年の教室だというのに、この人は俺の教室から菜穂に手をふってる。

「優陽先輩、目立ってます!」

菜穂は顔を赤くして、先輩に訴えてる。
明美は笑いながら菜穂にまぁまぁなんて言って慰めてる

「っ!」

そのときふいに明美と目があい
俺は悩んだあげく手を軽くふった。

「!?」

真っ赤になる明美。

わかりやすいやつ

菜穂も気づいたらしくにやにやしてる。

「ばーか」
「っ!」

俺の口の動きでわかったのか明美は
ベロを出してベーってしてる。

「ふっ」

俺が笑うと先輩が珍しそうに
俺を見つめてきた。
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