君へココナッツ
車は一定で進んだり、途中で揺れたりもした。

その度、親戚達は立ち上がって吠えた。

私達は犬用の籠の中でもなく、皆一緒に後ろの席で寝させられていた。

だから、前にいる運転手さんもさすがに嫌になってきたのだろう。


「静かにしなさい!!」


そう叫ぶと、皆キューンと、悲しい声をあげる。

一部、喉をならして怒りを顔を出す子もいたけど。

車の中は、さっきまでいた家の香りはしなかった。

少しだけど覚えてる。

扱き使われていたかもしれないけど、今考えると何もかも懐かしくなってくる。

自然に、私からも悲しい声と言うものが出てきた。




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