ライオン
「ライオン」と呼ばれた「ネズミ」
俺と湊は自然と公園に戻り、同時にベンチに腰を降ろした。

永い静寂。

俺には永遠にも感じられ、耳が痛くなってきて、堪えられずに口を開いた。

「ごめん……」

何で謝ったのか、自分でもよく判らなかった。
でも、俺にはこの場ではそれが一番正しい言葉に思えた。

湊はそんな俺の心を見透かすように、大きな溜息をはく。

「……思っても無いことを言われるのは、好きじゃないわ。
悪いことをしたと思ってないんでしょ?」

「……ごめん」
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