威鶴の瞳


「うらない、するの?」



午後2時少し前、いつもの占い師スタイルで、その場に座ってお客を待っていた。



「うらないのとこ、でしょ?」

「……」

「むらさきのおねーちゃん、みらいわかるんでしょ?」

「……」

「ねぇ、リオンのママ、さがして」



──だからなぜ迷子が来る?



前回の事件に引き続き、今回は本格的な『子供の』迷子が現れた。

なぜ占いを頼ろうとする?



はぁ、ため息が出る。



じー、その女の子を見ると、泣いたりはしていない。

……迷子に慣れているのかな?



正直、子供には慣れていない。

……子供は、少し正直すぎて、怖い。



『魔女』

その記憶が強いからだ。
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