威鶴の瞳





……あ。



私は瞬時に理解した。





あの時、竹原叶香さんの事をレインに相談した時の事。

なんてことだ、トーマはあの時からきっと決めていたんだ。

私に、『柴崎依鶴』に、依頼人になってもらうことを。



確かに威鶴じゃない、女だから。

依頼も出来るは出来るだろうけど……本当に、バレないだろうか?



「BOMB知ってるよな?威鶴の仕事」

「知ってます、けど……」

「頼む」



そう言って頭を下げてきたトーマに、私はどうしたらいいだろう?





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