威鶴の瞳


そう言って、私も笑う。



トーマの泣きそうな表情を見て。

泣きそうだけど、嬉しそうな、表情を見て……。



そしてニヤリ、いつも威鶴に見せる笑みで聞いた。



「それは、誰を占ったんだ?」

「竹原遥香さんです」

「俺のねーちゃんじゃねーかよ」



ぶはっと、大きく笑うトーマ。



いつかと同じ会話。

でも、あの頃とは確実に変わっている関係。



あの頃はまだ、お互いに何も知らなかったし、こうして話すこともなかった。



それでもやっぱり変わらないことは、トーマには笑っていてほしいということ。

幸せでいてほしい、ということ。





それからなんでもない雑談をして、私たちはいつの間にか睡魔に襲われ、眠りについていた。

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