威鶴の瞳
あくまでバイト
「奪還完了しましたー」
「金くれ金!五万!」
BOMBの事務所に着き、開口一番にそう言う俺達にふり返り、ため息を吐く女。
「……問題児が帰って来た。 管理、竹原叶香からの報酬金、用意して!」
後ろで作業をしている 管理の女たちに命令する。
そして俺たちに向き直る、女。
「お疲れ、威鶴、トーマ。どうだった?」
いつも通りの質問に、俺はいつもとは少し違う答えをする。
「少し面白い事にしてきた」
「へぇ、珍しいじゃない。いつもは『問題なく遂行した』って言うのにね」
「俺もあれはあれで面白かったな」
そう言うトーマに、女は言う。
「アンタは暴れられればいつでも面白いでしょう?」
「ちげーよ、いや、あながち違くもないけど……別な意味もあってな」