威鶴の瞳
理解させるために、同じ話を何度もするのは面倒だ。
俺だけか?
依鶴はこういう場合はどうする──あ。
男スイッチ、off。
ピクッ、気付けば『私』が表に出ていた。
……威鶴、逃げたな。
ため息を一つこぼす。
「威鶴?」
レインの声に振り向くと、レインは眉間にシワを寄せた。
「……変わったの?」
「あ……えーと、はい……占いの方の柴崎依鶴です」
「ややこしい奴ね、もう!」
私もそう思います、はい。