威鶴の瞳
「いいわよ、それくらい」
答えてくれたのは、レイン。
続いて雷知も。
「事情が事情だし、出来るだけ協力する。力になれるかはわからないけどね」
「ありがとうございます」
なんてあたたかいんだろう。
『魔女』と呼ばれていた日もあった。
恐れられていた存在だったのに、今は仲間がいる。
トーマもいる。
家を飛び出して来て5年。
柴崎依鶴の周りには、『大切な人たち』が出来た。
全てを明かし、威鶴として、依鶴として、今まで通りの毎日が始まり、一週間後。
「新人のソラとチョコよ」
二人いるなんて聞いてない……。
俺とトーマの、ソラとチョコの(またうまそうな名前を……)新人教育が始まった。