威鶴の瞳


さて、まずは何からすればいい?

とりあえず名前か。

どっちがどっちだかわからない。



「おい、お前ら名乗れ」



言ってから、新人ならもっとソフトに聞くべきだったか?と考えたが、すぐにそれを後悔することになった。



「さっき言ってたでしょ?記憶力皆無?バカなの?」



意外にも、そう囗を開いたのは、ニコニコ笑う新人の女だった。

そして悟った。

厄介とは、手懐けろとは、こういうことだったのか。



俺はイライラを鎮めて聞き方を変える。



「どっちがチョコでどっちがソラ?」



この質問には素直に答えてくれるだろう……と思ったのが間違いだった。



「私がチョコなんていう甘ったれた名前名乗るとでも思ってるの?視力悪いのね。それとも頭が残念なのかしら?」



しばく。
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